寝る前の1分

【1分怪談】祖父の書斎

実家の二階に、祖父が使っていた書斎が今も残っている。 祖父が亡くなったのは、自分が中学生の頃だった。それ以来、その部屋は特に手を付けられることもなく、本棚や机がそのままの状態で置かれ続けている。 子供の頃から、その部屋にはあま...
職場の1分

【1分怪談】展示室の絵

美術館で警備員をやっている。もう五年くらいになる。 夜間の巡回も仕事のうちで、閉館後に館内を一周するのが日課になっている。 去年の企画展のときにあった話だ。 その企画展は、地元出身の画家の作品を集めた特別展示で、中でも一...
職場の1分

【1分怪談】最終電車の忘れ物

地方の私鉄で駅員をしている。俺が勤めてる駅は、一日の利用者が数百人程度の、無人駅に近い小さな駅だ。 最終電車は毎晩23時47分発。それが出た後、駅員がホームの見回りをしてから施錠して帰る、っていうのが決まりになってる。 去年の...
今日の1分

【1分怪談】下山ルート

これは、五年前に自分自身が経験した話だ。 当時、登山を始めて二年目で、単独行にもだいぶ慣れてきた頃だった。仕事の休みが不定期で、なかなか友人と予定を合わせられなかったこともあり、自然と一人で山に入ることが多くなっていた。装備も少しず...
職場の1分

【1分怪談】境界標

土地の測量調査を手伝う仕事をしている。古い土地の境界確認や、分筆のための現地調査が主な業務だ。 これは、去年の秋、山あいの集落で行った調査でのことだった。 依頼された土地は、何十年も相続の手続きがされないまま放置されていた、古...
職場の1分

【1分怪談】点検口の先

エレベーターの保守点検の仕事をしている。担当エリア内の古いマンションやビルを回って、月に一度、定期点検をするのが主な業務だ。 その日訪れたのは、築四十年近い、地方の小さな雑居ビルだった。エレベーターは一基だけ、昔ながらの狭いタイプで...
寝る前の1分

【1分怪談】シェアハウスの新入り

社会人一年目の頃、家賃を抑えたくて、都内のシェアハウスに住んでいた。 個室はあるけど、キッチンとリビングは共用というよくあるタイプで、住人は自分含めて五人。最初の半年くらいは、みんな適度な距離感で仲良くやれていたと思う。 変化...
寝る前の1分

【1分怪談】玄関の記録

去年の春から、在宅でできる仕事に切り替えて、一人暮らしのアパートでほとんどの時間を過ごすようになった。 最初に違和感を覚えたのは、些細なことだった。玄関マットの向きが、朝出したときと微妙にずれている。植木鉢の位置が、心なしか数センチ...
職場の1分

【1分怪談】常連さん

コンビニで深夜バイトしてた頃の話なんだけど。 大学二年の頃、家賃と生活費を稼ぐために、駅前のコンビニで週四日、深夜のシフトに入ってた。時給が良かったのと、単純に人と話さなくていい時間帯が性に合ってたのが理由。 一人暮らしの女子...
職場の1分

【1分怪談】309号室からの内線

ビジネスホテルのフロントで、夜勤専門のスタッフをしている。 深夜、フロントの電話が鳴ることは珍しくない。氷が欲しい、タオルを追加してほしい、そういった内線がほとんどだ。 ある夜、309号室から内線が入った。 出てみると、...
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