【1分怪談】バイト先の在庫

もう時効だと思うので書きます。私が高校生の頃、コンビニでアルバイトをしていた時の話です。

深夜シフトに入ると、なぜか決まって一箇所だけ商品が乱れている棚がありました。

飲料の棚です。

補充した直後にもかかわらず、そこだけペットボトルが一本、逆向きに置かれている。

最初は誰かのイタズラだろうと店長に報告したところ、「ああ、あそこね」と苦笑いされただけでした。理由を尋ねても、はぐらかされて終わりでした。

ある晩、深夜二時頃に補充を終え、気になって少し見張ってみることにしました。

すると、客は誰もいないはずなのに、ペットボトルが独りでにくるりと回転したのです。

音もなく、揺れもせず、ただ向きだけが変わりました。

翌日、店長に報告すると、今度はようやく事情を話してくれました。

以前、あの棚の前で倒れ、そのまま亡くなった常連客がいたそうです。

いつも同じ銘柄の水を、いつも同じ向きで手に取る人だったとのことでした。

それ以来、私もあの棚だけは、補充の際に軽く手を合わせてから触るようにしています。

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